第55回日本移植学会総会

開催概要

第35回腎移植・血管外科研究会
当番世話人 伊藤 慎一

(医社)大誠会 サンシャインM&Dクリニック院長


 皆様方におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さてこの度、第35回腎移植・血管外科研究会を開催させて頂くにあたり一言ご挨拶を申し上げます。会期は2019年5月17日~18日の2日間で、岐阜県高山市の高山市民文化センターにて開催させて頂きます。この伝統ある本研究会を主催させて頂けますことは大変名誉なことと存じます。クリニック院長の立場で、当番世話人となるのは2人目となります。私は1999年に東京女子医科大学で1年間腎移植の研修を行い、2000年より岐阜大学に戻り腎移植の医療体制を再構築し岐阜大学病院に腎移植外科を新設し2012年まで診療に携わりました。その後現職に就いて、現在も多くの腎移植患者さんを当院外来でフォローしておりますが、今後国内でも腎移植症例の増加に伴い我々の施設のようなフォローアップ施設のニーズが高まると考えております。

 近年、免疫抑制薬の開発や合併症管理のノウハウ・技術合併症と技術含め「移植医療の進歩」などにより腎移植後の成績は、この研究会の設立当時の成績と比べると隔世の感があります。腎移植の成績の向上と共に腎移植症例数も右肩上がりに増加し続けており、それに伴い腎移植後のフォローアップ患者数も増加の一途をたどっております。このように移植医のニーズが高まる状況の中で、技術やノウハウの伝承を通じて次世代の移植医の育成、そして地域における腎移植医療のシステムの永続的体制構築が今後の腎移植医療に不可欠である、さらに先人が築いてきた移植医療があってこその今が築き上げられ、未来があるという私自身の信念から研究会のテーマを「次世代へのバトン」とさせていただきました。今回は腎移植医療の各論的なことに関しては2月に開催される臨床腎移植学会に委ねることとし、次世代へのバトンというテーマに沿う形での企画を準備しました。また、生体腎移植に偏りがちな現状で、献腎移植を提供医と共に今一度考え提供増加へのヒントを探りたいとシンポジウムを企画しております。
 さらに今回は腎移植領域だけでなく、血管外科領域にもフォーカスを当てたいと考え、下大静脈塞栓を有する腎癌手術とバスキュラーアクセスに関するシンポジウム、そしてRTC向けの特別講演・シンポジウムも企画しております。
 一般演題に関しては通常の口演形式に加え、ビデオセッションも設けたいと考えております。最近では例年、懇親会の後に若手移植医の会が開催されておりますが、この会の創設メンバーとして今回は正式プログラムに組み入れさせていただきました。
 懇親会や世話人会等の会場である高山グリーンホテルは2005年に、藤田保健衛生大学 星長清隆先生(現藤田医科大学理事長)が本研究会を開催された場所で、ホテルから会場までは朝夕に観光人力車による送迎を予定しております。また懇親会では飛騨牛や地元の食材を織り交ぜたお料理や地酒をご用意し、地元の伝統芸能の披露などを予定して、皆様方の思い出に残る会になるようお持てなしができるよう準備を進めて参ります。

 開催地の高山市は飛騨の小京都と呼ばれており江戸時代の姿を残す古い町並みが美しく、また高山祭りや日本三大朝市の1つである飛騨高山朝市などで有名です。研究会の合間には町の散策を楽しんで頂けると思っております。さらに高山から少し足を伸ばせば、世界遺産の白川郷,穂高連峰を望むエリアの奥飛騨温泉郷、映画「君の名は」で話題となった飛騨古川などを多くの見所があります。
 今回は大会運営経費節減のためコンベンション会社への業務委託は最小限にとどめ、当法人を中心とした医療スタッフのメンバーで運営を行うことにしております。皆様にはご迷惑をお掛けすることのないよう努力致しますが、事務手続き省力化のために原則的に参加登録は事前登録のみ(ランチョンセミナー整理券や懇親会参加申し込みも)とさせて頂きたく存じます。皆様にはお手数をお掛けしますが何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
 スタッフ一同この研究会を誠心誠意、運営してまいりますので、是非とも会員の皆様のご協力をいただき、多くの方が本会へご出席を賜りますようにお願い申し上げます。